【わたシゴト_11】日本郵便本社 後世に残るスキームを作りました
↓
つづきです
上手くいってない頃の話
2年間の本社勤務を経て、北海道に戻ってきた時には出る時の役職から2階級上がって戻ってきました。
出る時は7人くらいしかいなかった部署も、戻って来たときには30人くらいの大所帯になってて。
手前味噌ですが、プレーヤーとしては優秀と言うか稼げる営業マンだったと思います。
しかし、マネージャー業は苦手でした・・・
テクニックや状況判断のジャッジ、スピード感は東京での経験が大いに役立ったと思います。
ただね、出る時に上司だった先輩達がほとんど部下なってました。
先輩であることには変わりませんが、やりにくかったんです。相手も同じく感じてたと思います。
郵政は巨大企業なので北海道だけで社員は1万人以上もいるんです。
年上の部下なんてゴロゴロいます。ひと回り上の人もいます。
高校時代は話したことないけど、高校が同じ同級生の部下や、同じく高校の先輩の部下とか、今思えばそんなに偶然あるかな?(笑)ってくらいの偶然ですよね。
マネージャー業を頑張っているつもりでしたが、上手くいかないのをやりにくい環境のせいにしていました。
完全に未熟者でした…
年上の部下の育成ってなんだよって思ってました(笑)
モノを売る前に自分を売ってこい、関係性を築いて、お客さまの【不】を聞き出してこいって、年上の人間に今さらオレが言うことじゃないだろ?ってずーーーっと思ってた。(言わなかったけどね。)
心許して話せる気の合う同僚と週5日飲みに行ってはグチる生産性の無い飲み会をしてたもんです(笑)
法人営業は知恵で勝負
民営化前の郵便サービスは【あまねく公平】でした。
100個なら100個の割引。
千個なら千個の割引。
1万個なら1万個の割引。
個人であろうと、どんなに大企業であろうとも値引率は【一律】。
競合他社は相手によって価格を見定めているので、一律の値引きで算出した価格では到底太刀打ちできませんでした。
でも、このことがボクの営業マンとして成長させてくれた一因であると思っています。
ハナから価格じゃ競争力がないんだから、知恵で勝負しよう!
高くても選んでもらえるには、どんな魅力を伝えたらいいのか?
どうしたら選んでもらえるのか?
そのために、相手からどんな情報を引き出さなくてはいけないか?
相手が不満や不安に思っていることを引き出したり、会話の中から、まだ気づいていない【不】の要素があることを見つけだし、解決するプランを導き出し提案する。
これができるようになるには、コミュニケーション力が鍛えられ、たくさんの情報を引き出すことによって解決策のアイディアもたくさん出てセンスが磨かれる。
自分が最高かどうかはわかりませんが、少なくとも自分自身の糧になっていると思う。
自由な価格設定が営業マンの成長を止めた
民営化後(導入期は忘れましたが)、独占商品である郵便物以外のメール便(ゆうめーる)と宅配便(ゆうパック)は価格設定が局長の裁量に委ねられ、ある程度自由に設定できるようにルールが変わりました。
どんなに担当者と関係性を築こうとも、時には経営者と繋がろうとも価格差を埋められずに、取引にならなかった商談がたくさんあります。
関係性が築けてないからだと言えばそうかもしれませんが、B2Bではやはりこういうケースもあり、このルール変更は民営化されて、ようやく一般企業らしくなったのかもと思いましたが、あっという間にその思いは考え直しました。
【安売り】
これまで企業との商談は、ボクのような営業マンが郵便局から呼ばれてサポートして商談してたけど、郵便局の中でも社員の業務配置を工夫して時間を生み出し、にわか営業マンを作りました。
局長の裁量で価格を決められるので、「ク〇ネコさんはいくらですか?、じゃあ、ウチは〇〇円で」みたいな案件を深堀もせず、安売りによる獲得が始まりました。
身内で撮り合い
ボクの所属していた法人営業本部は単独でも営業活動しているので、郵便局とバッティングする事案がでてきました。
ボクは部下に『1円でも高く買ってもらえるように、関係性を築いてお客さまのことをもっと知ってこい。価格はもちろんだけど、価格以外の情報を聞き出してこい。』って指導してたけど、郵便局のにわか営業マンが何も知らずに飛び込み営業して、安売りして仕事を獲っていく。
同業他社どころか身内で獲り合いです。
かまどは同じだけど、成績は獲得した人につくんです。
1円でも高く売れなんて言ってる間に仲間であるはずの郵便局に横取りされるってサイアクですよね(笑)
社内で色々整理は図られましたが、それが安売りなのか?適正価格なのか?証明することはできないので、利益率の高い仕事を獲れる営業マンよりも、安売りでも数字を稼ぐ営業マンが評価される時代になってきました。
エクスマとの出会い
悶々とした日々が続いていた頃に出会ったのが【エクスマ】でした。
ボクにとってエクスマを知るキッカケは本社在籍中に出会った先輩、郵便局員でありながらエクスマ塾生の逸脱したスーパー郵便局員のみーちゃんこと田中みのるさん。
(※現在はマーケティングコンサルタントとして全国を飛び回って大活躍されています。)
みーちゃんから北海道の釧路でエクスマセミナーがあるから聴きに来ないか?と誘われ、参加したのがエクスマとの出会いでした。
エクスマとの出会いの詳細は今回は割愛しますが、この本を読んで、エクスマを知ってすごく共感して、やっぱり1円でも高く買ってもらうためにも、関係性を築いてしっかりヒアリングして、「価値」を伝えることが大事なんだって思い直したのでした。
郵便局(長)は1円でも高く売るよりも、局の目標を達成するため1円でも多く売ることの方が大事。
長引く商談よりも1日でも早く利用を開始してもらうことが大事なんだなって感じていました。
いつの頃からだったかはハッキリとは覚えていませんが、この先、出世することに魅力を感じなくなっていました。
郵政人生としての自分の将来が薄っすらと見えた。
【辞める】ということをハッキリと意識したわけじゃないけど、そういう選択肢もあるかもなって考えが心のどこかに生まれ始めました。
わたシゴトシリーズもラストスパートです。
って、あと何記事で終わるのか?思い出すままに書いてるのでわかりませんが、昨年の8月末で退職しているので、それまでに書き終えるつもりです。
とりあえずパート2へつづく。
※もくじはコチラ
